日本漢字能力検定(漢検)1級合格を目指す方へ。頻出の古語・文語漢字をインタラクティブなクイズ形式で学べる学習コンテンツです。文語表現や古典作品で用いられる難読漢字をマスターしましょう。
「古語・文語漢字」とは、現代ではあまり使われなくなったものの、古典文学作品や歴史的な文章、文語表現において重要な漢字群です。これらの特徴は:
例えば「偃(ふす)」「縹(はなだ)」「瞿(おそれる)」など、現代では見慣れない読み方でも、古典を読む上では必須の知識です。本コンテンツでは、文語表現や古典作品で用いられる難読漢字をマスターしましょう。
意味:伏せる。横たわる。倒れる。
文語例:「草むらに偃(ふ)して敵の過ぐるを待つ」
現代語訳:草むらに伏して敵が通り過ぎるのを待つ
漢検ポイント:「偃武修文」などの四字熟語でも出題されます。
意味:模様。彩り。美しい飾り。
文語例:「絢(あや)なる錦をまとう」
現代語訳:模様の美しい錦を身にまとう
漢検ポイント:「絢爛」などの熟語で頻出。
意味:薄い青色。浅葱色。
文語例:「縹(はなだ)の衣を着る」
現代語訳:薄青色の衣服を着る
漢検ポイント:色を表す漢字として重要。
意味:責める。非難する。
文語例:「その過ちを謫(せ)めてやまぬ」
現代語訳:その過ちを責めてやまない
漢検ポイント:「謫居」などの熟語でも出題。
意味:恐れる。おじる。
文語例:「雷霆の音に瞿(おそ)れおののく」
現代語訳:雷鳴の音に恐れおののく
漢検ポイント:「瞿然」などの表現で使用。
意味:静か。穏やか。
文語例:「謐(しず)かなる夜の帳」
現代語訳:静かな夜のとばり
漢検ポイント:「静謐」の読み書きで重要。
意味:明らか。聡明である。
文語例:「叡(あきら)かなる知恵をもつ」
現代語訳:明らかな知恵を持つ
漢検ポイント:「叡智」「聖叡」などの表現で頻出。
意味:穂先。才能が突出していること。
文語例:「頴(ほさき)に出でたる才」
現代語訳:突出した才能
漢検ポイント:「頴悟」などの熟語でも出題。
意味:歌う。褒め称える。
文語例:「勝利を謳(うた)い祝う」
現代語訳:勝利を歌って祝う
漢検ポイント:「謳歌」の読み書き必須。
意味:誤る。間違う。
文語例:「認識を謬(あやま)ることなかれ」
現代語訳:認識を誤ることなかれ
漢検ポイント:「謬見」「謬説」などの熟語で出題。
漢検1級の古語・文語漢字では、以下のポイントが重要です:
次の文語表現の読み方を答えなさい:
正解:ひょうびょうたるえんけい
意味:かすんでぼんやりとした遠くの景色
「縹渺」はかすかでぼんやりしている様子を表します。
次の下線部の漢字の読み方を答えなさい:
「偃武修文の世を築く」
正解:えんぶしゅうぶん
意味:武力をやめて文教を振興する平和な世の中
「偃」は「ふす」、「武」は武力、「修」はおさめる、「文」は文教を表します。
意味:金がたくさんある様子。豊富な財宝。
文語例:「鑫(きん)なる宝庫に眠る」
現代語訳:豊富な宝庫に眠る
漢検ポイント:「金」字を三つ重ねた会意文字。店舗の名前などでも見られる。
意味:鼻水。鼻汁。
文語例:「洟(はな)をすすりて泣く子供」
現代語訳:鼻水をすすって泣く子供
漢検ポイント:「鼻」と同源だが、特に鼻水を指す古語。
意味:めのう。宝石の一種。
文語例:「瑙(のう)を鏤めた冠」
現代語訳:めのうをはめ込んだ冠
漢検ポイント:「瑪瑙」の二字熟語で出題されることも。
意味:冷たい。氷のような。
文語例:「氷(すい)の如き手のひら」
現代語訳:氷のような冷たい手のひら
漢検ポイント:「氷雨(ひさめ)」などの特殊な読み方でも重要。
意味:宴。酒盛り。
文語例:「讌(うたげ)は深夜まで続けり」
現代語訳:宴は深夜まで続いた
漢検ポイント:「宴」の異体字的な使い方。詩文で好まれる。
意味:十字路。道が分かれる所。
文語例:「衢(く)に立ちて迷う」
現代語訳:十字路に立って迷う
漢検ポイント:「九衢」などの表現で出題される。
意味:傾く。耳を立てる。
文語例:「耳を欹(そばだ)てて聞く」
現代語訳:耳を傾けて聞く
漢検ポイント:「欹側」などの熟語でも出題。
意味:野火。戦火。
文語例:「燹(のび)の跡に佇つ」
現代語訳:野火の跡に立つ
漢検ポイント:「兵燹」の読みで出題されることも。
意味:雨まじりの雪。みぞれ。
文語例:「霙(みぞれ)の降る宵」
現代語訳:みぞれの降る夜
漢検ポイント:気象に関する漢字として重要。
意味:かおり。よい香り。
文語例:「馥(ふく)れる蘭の香り」
現代語訳:香り立つ蘭の香り
漢検ポイント:「馥郁」などの表現で頻出。