漢字検定対策|四字熟語・故事成語 徹底攻略
- 漢検2級~準1級で頻出の重要語
- 故事由来のものが多く含まれ(快刀乱麻、三顧之礼、四面楚歌など)、理解を深められる
- 対義語・類義語の学習にも役立つもの
- 実際の試験で書き取り問題として出題されやすいもの
漢字検定の大きな得点源であり、かつ苦手とする人も多い「四字熟語」と「故事成語」。このページでは、単なる暗記ではなく、由来や意味を理解することで確実に覚え、得点に結びつけるための方法を詳しく解説します。級別の頻出語彙や練習問題も用意していますので、ぜひ最後までご覧ください。
POINT: 四字熟語や故事成語は、漢検2級~準1級で特に重視される分野です。故事が由来の言葉はエピソードとセットで覚えると忘れにくく、また書き問題でも役立ちます。
四字熟語を攻略する
四字熟語の頻出パターン
四字熟語には一定のパターンがあります。パターンを知ることで未知の語の意味も推測しやすくなります。
- 反復・強調型: 一心不乱(いっしんふらん)、完全無欠(かんぜんむけつ)
- 対照・対比型: 一長一短(いっちょういったん)、大同小異(だいどうしょうい)
- 数字入り型: 五里霧中(ごりむちゅう)、四面楚歌(しめんそか)
- 自然景物型: 風林火山(ふうりんかざん)、花鳥風月(かちょうふうげつ)
絶対に押さえたい!頻出四字熟語一覧
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温故知新
(おんこちしん)
【意味】昔のことを研究し、そこから新しい知識や見解を得ること。
【由来】論語の「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」から。
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空前絶後
(くうぜんぜつご)
【意味】今までに一度もなく、今後も二度と起こらないようなこと。
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天真爛漫
(てんしんらんまん)
【意味】飾り気がなく、明るく純真な様子。
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一期一会
(いちごいちえ)
【意味】一生に一度だけの出会い。また、その機会を大切にすべきであるという教え。
【由来】茶道の心得から生まれた言葉。
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一朝一夕
(いっちょういっせき)
【意味】わずかな期間。非常に短い時間のこと。
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温厚篤実
(おんこうとくじつ)
【意味】穏やかで情に厚く、誠実な人柄のこと。
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快刀乱麻
(かいとうらんま)
【意味】もつれた物事を鮮やかに解決すること。
【由来】鋭い刀でもつれた麻を断ち切る故事から。
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疑心暗鬼
(ぎしんあんき)
【意味】疑いの心があると、何でもないことまで恐ろしく感じられること。
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行雲流水
(こううんりゅうすい)
【意味】空行く雲や流れる水のように、一つの所に執着せず自然の成り行きに任せて行動すること。
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三顧之礼
(さんこのれい)
【意味】優れた人材を迎えるために、礼を尽くして何度も招くこと。
【由来】劉備が諸葛亮を迎えるために三度訪れた故事から。
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四面楚歌
(しめんそか)
【意味】周囲がすべて敵や反対者ばかりで、孤立して助けのない状態。
【由来】項羽が垓下の戦いで楚の歌を聞いた故事から。
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不言実行
(ふげんじっこう)
【意味】あれこれ言わずに、黙ってなすべきことを実行すること。
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明鏡止水
(めいきょうしすい)
【意味】邪念がなく、澄み切って落ち着いた心境のこと。
故事成語を攻略する
故事成語は、中国の歴史書や故事に由来する言葉です。背景にあるエピソードを知ると、意味や使い方が驚くほど理解しやすくなります。
代表的な故事成語とその由来
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漁夫の利
(ぎょふのり)
【意味】両者が争っているすきに、第三者が何もせずに利益を横取りすること。
【由来】シギとハマグリが争っているのを、たまたま通りかかった漁師が両方とも捕らえてしまったという中国の故事から。
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塞翁が馬
(さいおうがうま)
【意味】人生の幸不幸は予測できないことのたとえ。
【由来】老人(塞翁)の馬が逃げたが、やがて立派な馬を連れて帰ってきた。しかしその馬に乗った息子が落馬して怪我をしたが、そのおかげで戦争への出征を免れた…という物語から。
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杞憂
(きゆう)
【意味】必要のない心配や取り越し苦労。
【由来】中国古代の杞の国の人が、天が崩れ落ちてきたらどうしようと心配した故事から。
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矛盾
(むじゅん)
【意味】つじつまが合わないこと。前後がくいちがっていること。
【由来】「どんな盾でも貫く矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を同時に売り歩いた商人の話から。
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蛇足
(だそく)
【意味】なくてもよい余計なもののこと。
【由来】蛇の絵を早く描き終えた者が、足まで描き加えたら却って負けになった故事から。
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虎の威を借る狐
(とらのいをかるきつね)
【意味】権力者の威光をかさに着て威張る小者のたとえ。
【由来】狐が虎に付き従っているふりをして、他の動物を畏れさせた故事から。
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五十歩百歩
(ごじっぽひゃっぽ)
【意味】多少の違いはあっても、本質的には同じであること。
【由来】戦場で50歩逃げた兵士が100歩逃げた兵士を笑ったが、どちらも逃げたことには変わりないという故事から。
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株を守る
(かぶをまもる)
【意味】古い習慣や方法に固執して、進歩や適応がないこと。
【由来】ウサギが偶然に木の株にぶつかって死んだのを見て、その株の前で待ち続けた農夫の故事から。
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井の中の蛙
(いのなかのかわず)
【意味】見識が狭く、広い世界を知らないことのたとえ。
【由来】井戸の中のカエルが海の大きさを知らない故事から。「井の中の蛙大海を知らず」とも。
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助長
(じょちょう)
【意味】かえって害を与えるような無理な力添えをすること。
【由来】苗の生長を早めようと引っ張って、かえって枯らしてしまった農夫の故事から。
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朝三暮四
(ちょうさんぼし)
【意味】目先の違いにこだわって、結局は同じであることに気づかないこと。
【由来】猿飼いが、朝に3つ・夕に4つだとドングリを与えると言うと猿が怒り、朝4つ・夕3つだと喜んだ故事から。
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鶏口牛後
(けいこうぎゅうご)
【意味】大きな組織の末端になるより、小さな組織でも長になる方がよい。
【由来】「鶏口となるも牛後となるなかれ」という戦国策の故事から。
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呉越同舟
(ごえつどうしゅう)
【意味】仲の悪い者同士が同じ場所に居合わせること。
【由来】敵同士の呉と越の国の人が同じ船に乗り合わせ、困難に直面した時に助け合った故事から。
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管鮑の交わり
(かんぽうのまじわり)
【意味】互いに理解し合い、疑うことのない固い友情。
【由来】中国春秋時代の管仲と鮑叔牙の深い友情に由来する。
級別対策のポイント
準2級・2級
基本的な四字熟語(「異口同音」「大器晩成」など)や、比較的有名な故事成語(「矛盾」「杞憂」など)が出題されます。書き取り問題でも出題されるため、正確な漢字で書けるようにすることが重要です。
準1級・1級
難度の高い四字熟語(「慇懃無礼」「鶏口牛後」など)や、由来の深い故事成語(「管鮑の交わり」「呉越同舟」など)が問われます。故事の出典(どの書物からか)まで問われることもあるため、深い理解が必要です。
実力試し!練習問題
問1) 次の四字熟語の空欄に入る漢字は何でしょうか?
「○○夢中」
答: 「無我夢中」(むがむちゅう)
【意味】ある一つの事に心を奪われ、我を忘れた状態になること。
問2) 次の故事成語の由来となったエピソードで正しいのはどれ?
「蛇足」
答: 蛇の絵を早く描き終えた者が、足まで描き加えたら却って負けになった故事から。
【意味】なくてもよい余計なもののこと。