漢検1級 四字熟語 頻出100選
第一部:超頻出!必須定番30語
漢検1級合格を目指す上で、四字熟語の習得は極めて重要です。このページでは、過去問分析から絶対に外せない基盤となる30語を厳選しました。まずはここから完全マスターを目指しましょう。
1. 鬱鬱勃勃
読み:うつうつぼつぼつ
意味:草木が生い茂り、勢いの盛んなさま。転じて、意気盛んなさま。
ポイント・由来:「鬱勃」とも書く。特に「鬱」の正しい字体(林+缶+…)を書けるようにすることが最大のポイント。書き取り問題の最頻出語。
出題例:書き取り「うつうつぼつぼつたる気勢」
2. 侃侃諤諤
読み:かんかんがくがく
意味:遠慮なく盛んに意見を述べ、議論が活発なさま。
ポイント・由来:「侃々諤々」と書くこともある。「諤」の字(言偏に「咢」)を正確に。
出題例:書き取り「会議はかんかんがくがくの議論となった」
3. 轍鮒之急
読み:てっぷのきゅう
意味:非常に差し迫った危急や窮地にあるたとえ。
ポイント・由来:『荘子』の故事に由来。水の干上がった車輪の跡にいる鮒(ふな:コイ科の魚)が困っている様から。「轍」「鮒」の書き取りは必須。
出題例:書き取り「てっぷのきゅうを救う」
4. 魑魅魍魎
読み:ちみもうりょう
意味:山や川、野などに棲むという、さまざまな化け物や妖怪。転じて、正体のない悪人や邪悪なもの。
ポイント・由来:4字全てが「鬼」偏で統一されているのが特徴。それぞれの構成を正確に覚える。
出題例:意味選択「世のちみもうりょうが跳梁する」
5. 付贅懸疣
読み:ふぜいけんゆう
意味:余計なもの、無用のもののたとえ。
ポイント・由来:「贅」は余剰、「疣」はいぼ。身体に付いた余分な肉やいぼの意から。「贅」と「疣」の字体を確認。
出題例:対義語問題(「必要不可欠」の対義語として出題される可能性あり)
6. 流觴曲水
読み:りゅうしょうきょくすい
意味:川の流れを緩やかに曲げ、酒杯を流して詩歌を楽しむ宴。
ポイント・由来:「觴」は酒杯の意。王羲之の『蘭亭序』で有名。『蘭亭序』自体も漢検1級頻出。
出題例:書き取り「りゅうしょうきょくすいの宴」
7. 寡廉鮮恥
読み:かれんせんち
意味:恥を知る心が乏しいこと。恥知らず。
ポイント・由来:「寡」「鮮」ともに「少ない」の意。対義語は「廉恥心に富む」などの語。
出題例:意味選択「かれんせんちな行為」
8. 駢枝儷葉
読み:へんしれいよう
意味:余計なもの、無用な飾りのたとえ。
ポイント・由来:「駢枝」は重なった足指(余分な指)、「儷葉」は対になった葉(重なった葉)の意。『荘子』由来。「付贅懸疣」と類義語。
出題例:対義語・類義語問題
9. 夏炉冬扇
読み:かろとうせん
意味:季節外れで役に立たないもののたとえ。
ポイント・由来:夏の炉、冬の扇の意から。故事「冬扇夏炉」の語順でも出題されることがある。
出題例:意味選択「その意見は今さらかろとうせんだ」
10. 牛驥同皁
読み:ぎゅうきどうそう
意味:賢人と愚者、または貴人と賤しい者が同じ境遇にあること。
ポイント・由来:「驥」は駿馬、「皁」は馬屋。牛と名馬が同じ小屋にいる意から。「皁」の字(白+七)要注意。
出題例:書き取り「ぎゅうきどうそうの嘆」
11. 槿花一朝
読み:きんかいっちょう
意味:はかないことのたとえ。
ポイント・由来:ムクゲ(槿)の花が一朝(ひとあさ)だけ咲くことから。「一朝」を「いっちょう」と読む点がポイント。
出題例:書き取り「人生きんかいっちょうの夢」
12. 羊頭狗肉
読み:ようとうくにく
意味:見かけと中身が伴わないこと。看板に偽りがあること。
ポイント・由来:「羊頭を掲げて狗肉を売る」が原典。表裏不一致。
出題例:意味選択「ようとうくにくの商法」
13. 鶏口牛後
読み:けいこうぎゅうご
意味:大きな組織の末端になるより、小さな組織の長になる方が良いというたとえ。
ポイント・由来:「牛後」を「ぎゅうご」と読む。『戦国策』由来。
出題例:書き取り「けいこうぎゅうごという考え」
14. 尸位素餐
読み:しいそさん
意味:地位にいて職務を果たさず、禄をむさぼること。
ポイント・由来:「尸位」は位だけにあること、「素餐」は食事だけすること。『書経』由来。
出題例:意味選択「しいそ餐する役人」
15. 鳶目虎吻
読み:えんもくこふん
意味:鳶のような鋭い目と、虎のような乱暴な口つき。残忍で冷酷な相貌の形容。
ポイント・由来:「吻」はくちばし、また口元の意。人物評の故事から。
出題例:書き取り「えんもくこふんの男」
16. 霓裳羽衣
読み:げいしょううい
意味:虹や雲のような美しい衣。仙女の舞衣。また、その衣を着て舞う曲の名。
ポイント・由来:「霓」は副虹(虹の外側にできる薄い虹)。「裳」は衣服。白居易の『長恨歌』で有名。
出題例:書き取り「げいしょうう衣の曲」
17. 管晏之才
読み:かんあんのさい
意味:優れた政治的手腕のこと。
ポイント・由来:春秋時代の名宰相、管仲と晏嬰の才能から。
出題例:意味選択「かんあんの才に恵まれた政治家」
18. 狗尾続貂
読み:くびぞくちょう
意味:劣ったものを優れたものの後に続けること。前のものに釣り合わないものを無理に続けること。
ポイント・由来:貂(てん:高級な皮)の服の続きに犬の尾をつなぐ意から。
出題例:書き取り「くびぞくちょうの感がある」
19. 朝秦暮楚
読み:ちょうしんぼそ
意味:節操がなく、ころころと態度を変えること。
ポイント・由来:朝は秦に味方し、夕には楚に味方する意から。
出題例:意味選択「ちょうしんぼそな態度」
20. 魯魚亥豕
読み:ろぎょがいし
意味:文字の誤写や誤植のたとえ。
ポイント・由来:「魯」と「魚」、「亥」と「豕」が字形が似ているため誤りやすいことから。
出題例:書き取り「ろぎょがいしの誤り」
12. 羊頭狗肉
読み:ようとうくにく
意味:見かけと中身が伴わないこと。看板に偽りがあること。
ポイント・由来:「羊頭を掲げて狗肉を売る」が原典。表裏不一致。
出題例:意味選択「ようとうくにくの商法」
13. 鶏口牛後
読み:けいこうぎゅうご
意味:大きな組織の末端になるより、小さな組織の長になる方が良いというたとえ。
ポイント・由来:「牛後」を「ぎゅうご」と読む。『戦国策』由来。
出題例:書き取り「けいこうぎゅうごという考え」
14. 尸位素餐
読み:しいそさん
意味:地位にいて職務を果たさず、禄をむさぼること。
ポイント・由来:「尸位」は位だけにあること、「素餐」は食事だけすること。『書経』由来。
出題例:意味選択「しいそ餐する役人」
15. 鳶目虎吻
読み:えんもくこふん
意味:鳶のような鋭い目と、虎のような乱暴な口つき。残忍で冷酷な相貌の形容。
ポイント・由来:「吻」はくちばし、また口元の意。人物評の故事から。
出題例:書き取り「えんもくこふんの男」
16. 霓裳羽衣
読み:げいしょううい
意味:虹や雲のような美しい衣。仙女の舞衣。また、その衣を着て舞う曲の名。
ポイント・由来:「霓」は副虹(虹の外側にできる薄い虹)。「裳」は衣服。白居易の『長恨歌』で有名。
出題例:書き取り「げいしょうう衣の曲」
17. 管晏之才
読み:かんあんのさい
意味:優れた政治的手腕のこと。
ポイント・由来:春秋時代の名宰相、管仲と晏嬰の才能から。
出題例:意味選択「かんあんの才に恵まれた政治家」
18. 狗尾続貂
読み:くびぞくちょう
意味:劣ったものを優れたものの後に続けること。前のものに釣り合わないものを無理に続けること。
ポイント・由来:貂(てん:高級な皮)の服の続きに犬の尾をつなぐ意から。
出題例:書き取り「くびぞくちょうの感がある」
19. 朝秦暮楚
読み:ちょうしんぼそ
意味:節操がなく、ころころと態度を変えること。
ポイント・由来:朝は秦に味方し、夕には楚に味方する意から。
出題例:意味選択「ちょうしんぼそな態度」
20. 魯魚亥豕
読み:ろぎょがいし
意味:文字の誤写や誤植のたとえ。
ポイント・由来:「魯」と「魚」、「亥」と「豕」が字形が似ているため誤りやすいことから。
出題例:書き取り「ろぎょがいしの誤り」
21. 竜蟠虎踞
読み:りゅうばんこきょ
意味:地勢が険要で堅固なこと。帝王の地相。
ポイント・由来:龍がとぐろを巻き、虎がうずくまる意から。「蟠」「踞」の書き取りを要確認。
出題例:書き取り「りゅうばんこきょの地」
22. 傾城傾国
読み:けいせいけいこく
意味:非常に美しい女性のたとえ。その美貌のために城や国が滅びる意から。
ポイント・由来:『漢書』由来。『長恨歌』にも引用される。
出題例:意味選択「けいせいけいこくの美女」
23. 嚆矢濫觴
読み:こうしらんしょう
意味:物事の始まり。
ポイント・由来:「嚆矢」は鳴鏑(なりや:音の出る矢)、「濫觴」は水源(觴が浮くほどわずかな水)。どちらも始まりを意味する語の組み合わせ。
出題例:書き取り「これがその事件のこうしらんしょうである」
24. 猿肱之厄
読み:えんこうのやく
意味:食べるのに困るほどの貧窮。
ポイント・由来:『春秋左氏伝』由来。猿の腕のように曲がって短くなった木でさえも煮て食べなければならないほどの苦しみ。
出題例:意味選択「えんこうのやくに陥る」
25. 焦眉之急
読み:しょうびのきゅう
意味:非常に差し迫った危険や困難。
ポイント・由来:火が眉を焦がすほど切迫している意。「焼眉之急」とも書く。
出題例:書き取り「しょうびのきゅうを脱する」
26. 粒粒辛苦
読み:りゅうりゅうしんく
意味:農作業の苦労。転じて、物事を成し遂げるまでの苦労。
ポイント・由来:李紳の詩「誰知盤中餐、粒粒皆辛苦」が由来。
出題例:書き取り「りゅうりゅうしんくの末」
27. 唾壺敲缺
読み:だここうけつ
意味:詩文を激しく賞賛すること。
ポイント・由来:晋の王敦が曹操の詩を朗誦し、唾壺(唾を受ける壺)を敲いて唾壺の縁を欠いた故事から。
出題例:意味選択「だここうけつの思い」
28. 跼天蹐地
読み:きょくてんせきち
意味:身を縮めてびくびくしているさま。
ポイント・由来:「跼」は腰をかがめる、「蹐」は小股に歩く意。『詩経』由来。
出題例:書き取り「きょくてんせき地の思い」
29. 杜黙詩撰
読み:ともくしさん
意味:自分の作品に手を加えず、誤りや拙い点をそのままにしておくこと。
ポイント・由来:宋の杜黙の詩には律に合わないものが多かったという故事から。
出題例:意味選択「ともくしさんに終始する」
30. 蝸角之争
読み:かかくのあらそい
意味:つまらない小事を争うこと。非常に小さな争い。
ポイント・由来:『荘子』由来。蝸牛の角の上での争いの意。
出題例:書き取り「かかくのあらそいはやめよ」
この30語をしっかりと押さえたら、次の「第二部:難読・難解!実力強化30語」に進む準備が整ったと言えるでしょう。まずはこの30語を、読み・書き・意味・故事をセットで覚えることに集中してください。